インゴットの高純度化によって超伝導の要件を満たす残留抵抗比(RRR > 300)を確保しつつ、その後の塑性加工を容易にし、均一な微細組織と優れた機械的特性を持つ純ニオブ製品を得るために、本出願では体系的な研究と実験的探究を通じて、真空電子ビーム冷炉炉での製錬工程中に微量のイットリウムを添加することで、鋳放し時の粒径を制御し、不純物含有量を制限し、最終的な純ニオブ製品が必要なRRR値を満たすことを保証し、これら2つの性能側面のバランスを実現できることを発見しました。
いくつかの実施形態では、イットリウム元素は有機溶媒に溶解したイットリウム粉末。本発明の目的は、純ニオブ合金インゴットの微細組織を微細化するためにイットリウムを添加する場合、添加量が少なすぎると微細化が不十分となり、過剰に添加するとRRR値が低下するという問題を解決することである。
あるいは、純ニオブ電極をイットリウム線で複数回巻き付けることにより、得られる純ニオブインゴット材料は、微細な結晶粒を有し、微細組織の均一性が良好で、RRR値(>300)を示す。
乾燥温度が低すぎると溶媒の蒸発が遅くなり、乾燥温度が高すぎるとニオブ電極上のイットリウム分布が不均一になる。したがって、いくつかの実施形態では、乾燥条件は60~65℃で25~30分であり、ニオブ電極上のイットリウムの均一な分布を確保しながら乾燥効率を向上させる。
純ニオブインゴットは、微細結晶粒、良好な微細構造均一性、および高い残留抵抗率比(RRR > 300)を特徴とし、平均粒径5~15mmの均一な等軸インゴットが得られる。溶解プロセス中に0.01~0.06重量%のイットリウムを添加し、電子ビーム溶解中に電子ビームで連続的に撹拌しながら溶液を冷却床内に10~600秒間保持し、その後晶析装置に注入することで、鋳造粒径4~10mmの等軸インゴットを得ることができる。
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものであり、本出願に係る例示的な実施形態を制限することを意図するものではない。本明細書において、文脈上明確に別段の定めがない限り、単数形は複数形も含むものとする。さらに、本明細書において「含む(comprising)」および/または「含む(including)」という用語が使用される場合、それらは特徴、ステップ、動作、装置、構成要素、および/またはそれらの組み合わせの存在を示すものと理解されたい。